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第一種特別相続認定中小企業者の都道府県知事への報告義務とは?


第一種特別相続認定中小企業者は認定後も報告が必要





金融支援のために都道府県知事の認定を受けた第一種特別相続認定中小企業者は、認定を受けた後も、一定期間にわたって都道府県知事への報告を続ける必要があります。





この報告は、認定を受けた会社が、相続後も引き続き認定の要件を満たしているかどうかを確認するためのものです。認定を受けた時点では要件を満たしていても、その後に代表者や株主構成、従業員数、会社の財務状況などが変わることがあります。そのため、一定の基準日ごとに会社の状況を報告することが求められています。





報告の基準となるのは、その認定に係る相続についての相続税申告期限です。原則として、相続税申告期限の翌日から起算して1年を経過するごとの日が「第一種相続報告基準日」とされます。そして、その第一種相続報告基準日の翌日から3か月を経過する日までに、所定の事項を都道府県知事へ報告しなければなりません。





ただし、同じ人が第二種経営承継贈与や第二種経営承継相続を受けている場合には、報告期間の考え方に注意が必要です。この場合には、第二種経営承継贈与に係る贈与税申告期限や、第二種経営承継相続に係る相続税申告期限が関係します。複数の期限があるときは、その中で最も早い期限を基準として、そこから5年間、報告義務が生じることになります。





都道府県知事へ報告する内容としては、まず、報告基準期間における代表者の氏名があります。誰が会社の代表者として経営を行っているのかは、認定の継続において重要な確認事項になります。





また、第一種相続報告基準日における常時使用する従業員の数も報告します。従業員数は、中小企業者としての実態や、事業が継続されているかどうかを確認するうえで大切な情報です。





さらに、報告基準期間における株主または社員の氏名と、それぞれが有する株式等に係る議決権の数も報告対象になります。事業承継に関する認定では、後継者が一定の議決権を保有し、会社の経営支配を維持しているかどうかが重要になるためです。





そのほか、会社が上場会社等や風俗営業会社に該当していないこと、資産保有型会社に該当していないこと、報告基準事業年度において資産運用型会社に該当していないことも報告します。加えて、総収入金額や、特定特別子会社が風俗営業会社に該当していないことも確認の対象になります。





このように、都道府県知事への報告は、単に形式的な書類提出ではありません。認定を受けた中小企業者が、相続後も金融支援の対象としてふさわしい状態を維持しているかを確認するための重要な手続きです。





報告を行う際には、規則様式第11による報告書を作成し、その写し1通と必要書類を添付して提出します。





添付書類としては、第一種相続報告基準日における定款の写しが必要です。定款は、会社の目的や機関設計など、会社の基本的な内容を確認するための書類です。





また、第一種相続報告基準日以後に作成された登記事項証明書も提出します。登記事項証明書によって、会社の登記上の状況や代表者などを確認することになります。





第一種特別相続認定中小企業者が株式会社である場合には、第一種相続報告基準日における株主名簿の写しも必要です。株主名簿は、誰が株主であり、どれだけの議決権を持っているのかを確認するための重要な資料になります。





さらに、第一種相続報告基準日における従業員数証明書も提出します。従業員数は、会社の事業実態を確認するための資料として使われます。





財務関係の書類としては、第一種相続報告基準事業年度の財務諸表などを提出します。株式会社であれば、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表などが対象になります。持分会社であれば、貸借対照表、損益計算書、社員資本等変動計算書、個別注記表などが対象になります。





そのほか、会社が上場会社等または風俗営業会社のいずれにも該当しない旨の誓約書も必要です。また、特定特別子会社が風俗営業会社に該当しない旨の誓約書も提出します。必要に応じて、報告事項の確認に役立つその他の参考書類を添付することもあります。





認定取消事由に該当した場合は随時報告が必要





第一種特別相続認定中小企業者には、定期的な報告だけでなく、会社の状況に大きな変化があった場合の随時報告も求められます。





特に、経営承継円滑化法施行規則に定められた認定取消事由に該当した場合には、通常の報告時期を待たずに、都道府県知事へ報告しなければなりません。この場合、原則として、その取消事由に該当した日の翌日から1か月を経過する日までに報告する必要があります。





ただし、従業員減少に関する事由や、認定取消申請書の提出に関する事由など、一部の事由はこの随時報告の対象から除かれています。また、相続税申告期限前に第一種経営承継相続人が死亡した場合も、通常の随時報告とは別の扱いになります。





認定取消事由に該当する可能性がある場合には、早めに状況を確認することが大切です。議決権割合の変動、株式の譲渡、会社の組織変更、資産保有型会社や資産運用型会社への該当、上場会社等や風俗営業会社への該当などは、認定の継続に大きく関係する可能性があります。





また、第一種経営承継相続人が死亡した場合には、その死亡した日の翌日から4か月を経過する日までに、都道府県知事へ報告しなければなりません。この場合には、死亡した事実だけでなく、代表者の氏名、従業員数、株主または社員の氏名と議決権の数、会社が上場会社等や風俗営業会社に該当していないこと、資産保有型会社や資産運用型会社に該当していないこと、総収入金額、特定特別子会社が風俗営業会社に該当していないことなどもあわせて報告します。





さらに、第一種経営承継相続人が精神障害者等に該当する状態となり、代表者を退任したうえで、第一種特別相続認定株式の全部または一部について贈与をした場合にも報告が必要です。この場合には、代表者を退任した日の翌日から4か月を経過する日までに、第一種特別相続認定株式の贈与が生じた旨を都道府県知事へ報告します。





この報告では、通常の随時報告事項に加えて、代表者を退任した日や、精神障害者等に該当するに至った事実についても報告する必要があります。精神障害者等に該当することを証明する書類も必要になるため、該当する可能性がある場合には、早めに必要書類を確認しておくことが重要です。





随時報告を行う場合には、規則様式第12による報告書を使用します。一定の認定取消事由に該当した場合には、報告書とその写し1通を提出します。





一方で、第一種経営承継相続人が死亡した場合や、精神障害者等に該当して代表者を退任し、認定株式の贈与をした場合には、報告書の写しに加えて、定款の写し、登記事項証明書、株主名簿の写し、従業員数証明書、財務諸表、上場会社等や風俗営業会社に該当しない旨の誓約書、特定特別子会社が風俗営業会社に該当しない旨の誓約書、その他参考となる書類を添付する必要があります。





この報告制度は、第一種特別相続認定中小企業者だけに限られるものではありません。第二種特別贈与認定中小企業者や第二種特別相続認定中小企業者、第二種特例贈与認定中小企業者、第二種特例相続認定中小企業者などについても、一定の場合には同様の規定が準用されます。また、第一種特例相続認定中小企業者についても、これらの報告制度が準用されます。





都道府県知事は、これらの報告を受けたうえで、必要な事項に該当することを確認した場合には、規則様式第16による確認書を交付することとされています。この確認書は、認定を継続し、経営承継に関する金融支援を円滑に進めるうえで重要な意味を持ちます。





また、経済産業大臣は、経営承継の円滑化のために必要があると認めるときは、都道府県知事に対して、確認書の交付を受けた認定中小企業者の名称、代表者の氏名、その他必要と認める事項に関する情報を求めることができます。





なお、報告書を期限までに提出できなかった場合でも、一定の救済措置があります。都道府県知事が、期限内に提出できなかったことについて提出者の責めに帰することができないやむを得ない事情があると認める場合には、その事情がなくなった後、遅滞なく報告書と事情の詳細を記載した書類を提出することで、期限内に提出されたものとみなされます。





第一種特別相続認定中小企業者の報告は、提出する内容も書類も多く、期限管理も重要です。認定を受けた後は、相続税申告期限後の定期報告だけでなく、会社や後継者の状況に変化があった場合の随時報告にも注意し、報告漏れがないように準備しておくことが大切です。





※この記事は税理士事務所の見習いスタッフが日頃の業務で感じたことや素朴な疑問をコラムとして掲載しております。念のため専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は責任を負いかねますので、個別具体的な案件に関する疑問やご相談がある場合には、弊所代表税理士「うめちゃん先生」まで直接問い合わせを頂くか、お問合せフォームからお問合せ下さい。無料相談会も随時実施していますので(完全予約制)お気軽に活用ください。





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