第一種特別贈与認定中小企業者が株式交換等を行った場合の認定承継のポイント

株式交換等により認定会社が完全子会社になった場合、認定はどうなるのか
事業承継に関する金融支援の認定を受けている会社が、株式交換等によって他の会社の完全子会社になることがあります。このような場合に気になるのが、もともと受けていた都道府県知事の認定が、その後も引き継がれるのかという点です。
第一種特別贈与認定中小企業者が、株式交換等によって他の会社の株式交換完全子会社等となった場合、一定の手続きを行うことで、認定上の地位が承継されたものとみなされます。
具体的には、株式交換完全親会社等が、株式交換の効力発生日等に一定の要件を満たしていることについて、都道府県知事に報告し、確認を受ける必要があります。この確認を受けることができれば、株式交換完全親会社等は、その効力発生日等に、第一種特別贈与認定中小企業者としての地位を承継したものと扱われます。
つまり、株式交換等によって認定を受けていた会社が完全子会社になったとしても、所定の要件を満たし、都道府県知事の確認を受ければ、認定がそのまま途切れるのではなく、親会社側に引き継がれる仕組みになっています。
この認定承継が認められるためには、まず、もとの第一種特別贈与認定中小企業者の第一種経営承継受贈者が、株式交換完全親会社等の代表者であり、さらに第一種特別贈与認定中小企業者の代表者でもあることが必要です。事業を承継した人が、株式交換後も引き続き経営の中心にいることが求められるということです。
また、株式交換等の際に、原則として株式交換完全親会社等の株式等以外の財産が交付されていないことも要件になります。ただし、第一種特別贈与認定中小企業者の株主や社員に対する剰余金の配当等として交付される金銭その他の資産や、株式交換等に反対した株主の買取請求に基づいて交付される対価などは、この判定から除かれます。
さらに、第一種経営承継受贈者が、その同族関係者と合わせて、株式交換完全親会社等の総株主等議決権数の過半数を有していることも必要です。加えて、その第一種経営承継受贈者本人が有する議決権の数が、同族関係者の誰が有する議決権の数も下回らないことが求められます。これは、株式交換後の親会社においても、後継者が実質的に経営支配権を維持しているかを確認するための要件です。
そのほか、株式交換完全親会社等が、上場会社等、風俗営業会社、資産保有型会社のいずれにも該当しないことも重要です。さらに、株式交換の場合には、株式交換効力発生日等の翌日が属する事業年度の直前事業年度において、株式交換完全親会社等が資産運用型会社に該当しないことも確認されます。
また、株式交換完全親会社等の特定特別子会社が風俗営業会社に該当しないことも必要です。認定の承継を受けるためには、親会社だけでなく、一定の子会社の状況についても確認が求められるということです。
このように、第一種特別贈与認定中小企業者が株式交換等によって他の会社の完全子会社になった場合でも、一定の要件を満たし、都道府県知事への報告と確認を受けることで、認定上の地位を承継することができます。
なお、この取扱いは、第一種特別贈与認定中小企業者だけに限られるものではありません。第二種特別贈与認定中小企業者、第一種特例贈与認定中小企業者、第二種特例贈与認定中小企業者が、それぞれ株式交換等によって他の会社の株式交換完全子会社等となった場合にも、同様の考え方が準用されます。
株式交換等は、会社の支配関係や組織体制を大きく変える手続きです。そのため、認定を受けている会社が株式交換等を行う場合には、認定を引き継ぐために必要な要件を満たしているか、都道府県知事への報告や確認が必要になるかを、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
※この記事は税理士事務所の見習いスタッフが日頃の業務で感じたことや素朴な疑問をコラムとして掲載しております。念のため専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は責任を負いかねますので、個別具体的な案件に関する疑問やご相談がある場合には、弊所代表税理士「うめちゃん先生」まで直接問い合わせを頂くか、「お問合せフォーム」からお問合せ下さい。無料相談会も随時実施していますので(完全予約制)お気軽に活用ください。
「うめちゃん先生」ってどんな人? うめちゃん先生のご挨拶動画は「こちら」
シェアする