相続税・贈与税の納付猶予で重要な「資産保有型会社等に該当しない会社」とは?

相続税や贈与税の納付に関する特例では、都道府県知事の認定を受けるための条件の一つとして、会社が「資産保有型会社」または「資産運用型会社」に該当しないことが求められます。では、どのような会社であれば、これらに該当しないものとして扱われるのでしょうか。
この点については、中小企業者やその特別子会社が、一定の条件を満たしている場合には、資産保有型会社および資産運用型会社に該当しないものとみなされます。これは、贈与や相続の時点において、その会社が実際に事業活動を継続して行っている実態を備えているかどうかを判断するための考え方です。
具体的には、贈与の時または相続開始の時において、その中小企業者に五人以上の親族外従業員が常時勤務していることが必要です。ここでいう親族外従業員とは、経営承継に関わる受贈者や相続人本人、およびこれらの者と生計を一にする親族を除いた従業員を指します。つまり、身内だけで運営されている会社ではなく、第三者である従業員を一定数雇用していることが求められているのです。
また、その親族外従業員が勤務するための事務所や店舗、工場などを、会社が自ら所有しているか、あるいは賃借していることも条件となります。単に名目上の会社であるのではなく、事業を行うための拠点が実際に確保されていることが必要とされているわけです。
さらに重要なのは、贈与の日または相続開始の日まで、引き続き三年以上にわたり一定の業務を継続して行っていることです。その業務とは、商品の販売、資産の貸付け、役務の提供など、対価を得て継続的に行われる事業活動をいいます。これには、商品の開発や生産、役務の開発も含まれます。ただし、資産の貸付けについては、経営承継に関わる受贈者や相続人、その同族関係者に対するものは除かれます。加えて、そのような商品販売等を行うために必要な資産を所有または賃借していること、あるいはこれらに類する業務を行っていることも対象になります。
このように、一定数の親族外従業員がいること、事業のための拠点を持っていること、そして継続的に事業活動を行っていることという三つの要素がそろっていれば、その会社は資産保有型会社や資産運用型会社には当たらないものとして扱われます。特別子会社についても、同様の要件を満たしていれば、資産保有型子会社および資産運用型子会社には該当しないものとみなされます。
なお、平成二十六年十二月三十一日以前は、従業員の範囲や資産の貸付けに関する取扱いが現在とは一部異なっていました。当時は、経営承継受贈者や経営承継相続人、およびこれらの者と生計を一にする親族も従業員に含まれており、また資産の貸付けについても、これらの者やその同族関係者に対する貸付けが含まれていました。そのため、制度の適用を検討する際には、対象となる時期に応じた取扱いを確認することが大切です。
つまり、この制度で問題となるのは、会社が単に資産を保有したり運用したりするだけの存在ではなく、実際に人を雇い、拠点を持ち、継続的な事業を営んでいるかどうかという点です。こうした実態が認められる場合には、資産保有型会社等には該当しないものとして、認定の要件を満たす可能性が高くなります。
※この記事は税理士事務所の見習いスタッフが日頃の業務で感じたことや素朴な疑問をコラムとして掲載しております。念のため専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は責任を負いかねますので、個別具体的な案件に関する疑問やご相談がある場合には、弊所代表税理士「うめちゃん先生」まで直接問い合わせを頂くか、「お問合せフォーム」からお問合せ下さい。無料相談会も随時実施していますので(完全予約制)お気軽に活用ください。
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