Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//生前贈与財産が配偶者控除を受けた場合の相続 【新潟相続専門税理士ブログ】

相続ブログ

生前贈与財産が配偶者控除を受けた場合の相続 【新潟相続専門税理士ブログ】

Question
夫が先月に死亡し、遺産約5億円を長男と配偶者である私の2人で相続することになりました。私は夫から生前に住宅の贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受けております。
贈与は、婚姻期間が20年に達した一昨年の8月に行われ、住宅の評価額は2,300万円でしたので、私は贈与税19万円を支払いました。今回の相続で私は約2億円の遺産を取得する予定です。このような場合、相続財産にいくら加算されるのでしょうか。

 

Answer
相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産のうち、贈与税の配偶者控除の適用を受けた部分(2,000万円)を除いた財産の価額300万円が相続税の課税価格に加算されます。なお、その贈与について課せられた贈与税額19万円は、相続税額から控除されます。

まず、贈与税の配偶者控除についてですが、贈与税の配偶者控除とは、婚姻期間20年以上の夫婦間に認められている贈与税の優遇制度です。居住用不動産か、居住用不動産を買うためのお金を夫婦間で贈与する場合は、2,000万円の税額控除があります。また、贈与税には年間110万円という基礎控除がありますので、同じ年にほかに贈与を受けていないのであれば、合計で2,110万円まで贈与税はかからないということになります。

ただし、税額控除を受けるためには以下の条件がありますのでご注意ください。

1.夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われること。

2.配偶者から贈与された財産が、居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること。

3.贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること。

今回の相続について考えてみましょう。

相続又は遺贈によって財産を取得した人が、相続の開始前3年以内に被相続人から贈与により財産を取得している場合には、その贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価格とみなして相続税額を計算します。ただし、その贈与について課せられた贈与税額があるときは、その贈与税相当額を相続税額から控除した金額をもって納付すべき相続税額とすることとされています。
この加算の対象となる贈与財産からは、既に贈与税の配偶者控除の適用を受けて控除された金額に相当する部分の財産は除きます。今回は相続開始から3年以内に贈与を受けていますので、住宅も相続税の課税価格に含まれます。ただし、配偶者控除の適用を受けた分(2,000万円)は除きますので、2,300万円-2,000万円=300万円が課税対象となります。

今回の場合、相続税の課税価格に加算される贈与財産の価額及び相続税額から控除される贈与税額相当額は次のようになります。

1 相続税の課税価格に加算される贈与財産の価額
2,300万円(贈与財産の価額) – 2,000万円(贈与税の配偶者控除の金額)= 300万円

2 相続税額の計算上控除される贈与税相当額
2,300万円(贈与財産の価額) – 2,000万円(贈与税の配偶者控除の金額)-110万円(贈与税の基礎控除額)× 贈与税の税率10% = 19万円
つまり、相続財産に300万円加算されますが、19万円の控除を受けることができます。

【新潟で相続(相続対策・相続手続き・相続税申告)について相談するなら税理士法人フォーカスクライド(新潟オフィス)までご連絡ください。】
SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧