贈与税納付に関連する認定要件とは?第一種特別贈与認定中小企業者のポイントを整理

事業承継に関する金融支援を受けるためには、都道府県知事から「第一種特別贈与認定中小企業者」に係る認定を受ける必要があります。
この認定を受けるためには、単に後継者が株式を贈与によって取得するだけでは足りません。会社の状況や後継者・贈与者の立場、贈与の内容などについて、細かな要件を満たすことが求められます。
その中でも、贈与税納付に関連する事由として重要なのが、中小企業者の代表者が、贈与により取得した株式等に係る贈与税を納付することが見込まれることです。
ただし、実際の認定にあたっては、この点だけでなく、会社そのものや承継の方法についても多くの条件があります。
以下では、認定を受けるために必要な主な要件を整理してみます。
まず前提として、対象となる会社は非上場会社であり、風俗営業会社に該当しないことが必要です。さらに、一定期間において資産保有型会社や資産運用型会社に該当しないことも求められます。これは、事業を実際に営んでいる会社であることを重視するためです。
また、休眠会社でないことも必要です。具体的には、基準となる各事業年度において総収入金額が零を超えていなければなりません。あわせて、贈与の時点で常時使用する従業員が1人以上いることも条件です。一定の場合には、より多い人数が必要になるケースもあります。
子会社の状況にも条件があります。会社の特定特別子会社が、贈与後に上場会社、大会社、風俗営業会社のいずれにも該当しないことが必要です。つまり、親会社だけでなくグループ会社の属性も確認されます。
次に重要なのが、株式を受け取る後継者、つまり代表者に関する要件です。
この代表者は「第一種特例経営承継受贈者」に該当しなければなりません。具体的には、贈与によって株式を取得した代表者であり、贈与時点で18歳以上、かつ贈与直前に役員であることが求められます。さらに、同族関係者とあわせて会社の議決権の過半数を有し、その中で一定の持株要件を満たしている必要があります。
加えて、贈与後は、納税猶予の対象となる株式等を継続して保有していなければなりません。過去に一定の事業承継税制に基づく贈与や相続を受けていないこと、都道府県知事の確認を受けた特例後継者であることなども要件に含まれます。
一方で、株式を贈与する側にも条件があります。贈与者は、贈与前に会社の代表者であった者であり、一定の議決権要件を満たしている必要があります。また、贈与者についても、過去の特例承継との重複が認められない場合があり、確認を受けた特例代表者であることも求められます。
贈与そのものの内容についても、一定のルールがあります。
後継者が1人の場合には、贈与者が保有していた株式のうち必要な数以上を贈与するか、場合によっては保有株式のすべてを贈与する必要があります。後継者が2人または3人の場合には、それぞれの後継者が発行済株式総数または出資総額の10分の1以上を保有し、さらに各後継者の持株数等が贈与者の持株数等を上回ることが求められます。
さらに、会社が拒否権付種類株式、いわゆる黄金株を発行している場合には、その株式を後継者である代表者以外の者が保有していないことも必要です。事業承継後の支配関係を明確にするための条件といえます。
このほか、受贈者や贈与者が過去に第一種・第二種の特例贈与認定や特例相続認定に関係していないことも重要です。制度の重複利用を避けるための制限が設けられているためです。
最後に、これらの個別要件を満たしていても、会社の事業活動の継続に支障を生じさせる事情がないことが必要です。つまり、形式的に条件を満たすだけではなく、実質的にも事業承継後に会社が継続して運営される見込みがあることが前提となります。
このように、贈与税納付に関連する認定要件は、単に「後継者に贈与税の納付見込みがあるかどうか」だけで決まるものではありません。会社の実態、従業員の有無、子会社の状況、後継者と贈与者の資格、贈与の方法、株式の内容まで、幅広い観点から確認されます。
そのため、認定申請を検討する際には、早い段階で自社の状況を整理し、どの要件を満たしているかを一つずつ確認していくことが大切です。
※この記事は税理士事務所の見習いスタッフが日頃の業務で感じたことや素朴な疑問をコラムとして掲載しております。念のため専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は責任を負いかねますので、個別具体的な案件に関する疑問やご相談がある場合には、弊所代表税理士「うめちゃん先生」まで直接問い合わせを頂くか、「お問合せフォーム」からお問合せ下さい。無料相談会も随時実施していますので(完全予約制)お気軽に活用ください。
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