税理士事務所見習いスタッフコラム【生前贈与対策編】富裕層の相続税対策って、なんかズルくない?…いや、ただの“準備上手”でした。
■「富裕層の相続税対策ってずるくない?」…それ、ほんのちょっと見方を間違えているかもです。
「なんかズルいよなぁ〜」って思ったこと、正直ありませんか? だって、テレビで見るあの人も、雑誌で見かけたあの人も、すっごいお金持ちなのに「相続税ほとんどかからなかった」なんて話をしていると、こっちは普通の家なのに税金だけはしっかり取られそう…って、なんだか釈然としないというか、不公平な感じがしますよね。
でも、ちょっと待ってください。 実際に富裕層の人たちがやっている相続税対策って、「こっそりズルしている」とか「裏技使ってる」とか、そういうことじゃないのです。
むしろ、彼らの多くは真面目に、コツコツ、準備をしているだけだったりします。 もちろん、お金に余裕があるっていうのは事実だけど、それだけで何もかもスルスルっと片付くかというと、全然そんなことないのです。
知識と準備。要は「準備しているか、準備してないか」。 たったそれだけの違いで、将来の税金の重さがびっくりするほど変わるんですよ。
「ずるい」のでなくて、「準備上手」。 ちょっと考え方を変えてみると、見えてくる世界があるかもしれません。
■相続税って聞くと、やっぱり思い浮かぶのは芸能人とか、結構大きな企業の家系とか。
相続税って聞くと、「うちには関係ないでしょ」って思う方、まだまだ多いのです。 でもこれ、実はかなりの落とし穴。
最近の日本、特に都市部では、土地の値段がどんどん上がっていて、「ふつうの家なのに、評価してみたらえらいことになっている」なんてケースもよくある話なんです。
たとえば、都内の駅近くにある実家。築30年のボロ家だし、売ったらそんなに高くないでしょ〜と思っていたら、いざ相続となると「土地の評価額だけで4000万円!」とか「路線価で計算したら5000万円超えた!」なんてことも。
そのうえで、相続税の基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた分には、しっかりと税金がかかってきます。
つまり、見た目は「ごく普通の家庭」でも、相続税の対象になることは全然珍しくないのです。
ここで思い出してほしいのが、「富裕層の人たちはなぜ困らないのか」ということ。 答えはシンプル。 そう、もうずっと前から「備えていた」から。
土地の評価のこと、生前贈与の枠組み、税制の変更、控除の適用条件…彼らはちゃんと勉強して、信頼できる税理士と連携しながら「抜かりなく」準備しているのですよね。
「ウチはまだ関係ない」と思っていたら、気づいたときにはもう手遅れ。 相続発生後に「えっ、こんなに税金取られるの!?」とあわてるケースが後を絶たない。
だからこそ今、知っておくべきなんです。 富裕層の人たちがどうしているのか。どうして「平気そうな顔してられるのか」。
■さて、富裕層の相続税対策、ほんのごく一部を簡単に説明してみましょうか。
じゃあ実際に、富裕層の人たちがどんな相続税対策をしているのか。 いくつか代表的なものを挙げてみましょう。
まずはやっぱり「生前贈与」。 これは、年間110万円までの非課税枠を利用して、子どもや孫にコツコツと資産を移していく方法です。
毎年110万円って聞くと、「ちょっとしかできないじゃん」と思うかもしれませんが、たとえば10年で1100万円。 それを夫婦でやれば2200万円。
しかも、早いうちから始めていれば、子どもたちが結婚するときの資金、孫の教育資金など、贈与したお金の使い道にも意味が出てくる。
そして次は「不動産への組み替え」。 現金で1億円持っていると、そのまま1億円で評価されます。 でもその1億円を使って収益物件を買えば、その評価は、土地や建物の評価額に変わります。
しかも、その物件を「賃貸物件」として貸し出していれば、評価はさらに下がる。 土地も建物も「貸家「、「貸家建付地」として評価されるからです。
これが富裕層の定番テクニック。 ただし、誰でもできるわけじゃない。タイミングや管理の問題、空室リスクなどもあるので、やはり信頼できるプロと相談しながら進めることが大切です。
あとは、「生命保険」を活用する方法もよくあります。 死亡保険金のうち、法定相続人1人あたり500万円までは非課税。 たとえば相続人が3人いれば、1500万円までは相続税がかからないのです。
しかも、保険金は「現金」で入ってくるので、納税資金の確保という意味でも大きな意味があります。
他にも「家族信託」を活用して、将来の資産の引き継ぎ方をあらかじめ決めておく方法や、「小規模宅地等の特例」を最大限活用して、評価を大幅に下げるというのもあります。
こういうこと、全部、富裕層の人だけの特別なスキルじゃないのです。 知って、動いたかどうか。それだけなんですよ。
■「富裕層だからずるい」って思ったら、一度ただしてみてほしいんです。
ここで一度、視点を変えてみませんか?
「富裕層だから、税理士がついてるんでしょ」とか、「自分には関係ない世界」と思ってると、もったいない。
実は、相続税の相談って、今やごくごく普通のご家庭からもどんどん増えてます。
そして、富裕層と呼ばれる人たちだって、最初から全部知っていたわけではないんです。
テレビで見る芸能人や、企業オーナーだけが対策していると思ったら大間違い。 彼らもみんな、ある時期に「知った」から、「聞いた」から、「やってみようかな」と動いたんです。
実際、私たちの事務所にも、「相続ってまだまだ先だと思ってたけど、知人が大変だったって聞いて…」とか、「親が高齢になってきて、そろそろ考えないとって…」という理由で来られる方がたくさんいます。
一歩踏み出して相談してみるだけで、選択肢がグッと広がります。 そして、やるかどうかを決めるのはそこから。
富裕層だからズルい、じゃなくて。 「準備してたから差が出た」だけ。 今からでも、まったく遅くないんです。
■相続税対策、富裕層のエゴなテクニックのように感じるけど、本当は「早めの準備と知識」の結晶なんですよね。
「なんかズルいよね〜」と、つい言ってしまいそうになる富裕層の相続税対策。 でもその裏側を見ていくと、「ズルい」のではなくて「備えてた」だけって、だんだん見えてきますよね。
もちろん、資産の額によって対策の中身は変わってきます。 でも、相続税のしくみを知って、少しでも準備しておくことは、どんな人にとっても意味がある。
しかも、知識は資産より先に持てるのです。 知ることで未来の選択肢が広がるし、家族をトラブルや大きな負担から守ることもできる。
そして、そんな準備を始めたいと思ったとき、私たち税理士事務所は、まさにその「伴走者」になれたらと思っています。
大げさなことはしなくても大丈夫。 「ちょっと気になってて…」くらいの軽いノリでも大歓迎です。
あなたの「これってズルいのかな?」というモヤモヤを、「じゃあ何ができるかな?」という前向きなアクションに変えていけるよう、私たちも全力でお手伝いします!
いつでも、お気軽にご相談くださいね。
※この記事は税理士事務所スタッフが日頃の業務で感じたことや素朴な疑問をコラムとして掲載しております。念のため専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は責任を負いかねますので、ご指摘や具体的な疑問・ご相談がある場合には、弊所税理士「うめちゃん先生」まで直接問い合わせを頂くか、「お問合せフォーム」からお問合せ下さい。随時実施している無料相談会(完全予約制)もご活用ください。
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