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税理士事務所見習いスタッフコラム【遺産分割編】遺言書に記載のない財産(漏れた財産)はどのように分割されますか?


「遺言書があれば完璧に相続できる」って、思っていませんか?





いや、そりゃまあ、あったほうがいいに決まっています。間違いないです。でもですね。
現場ではけっこう見かけるのです、「あれ?この財産、遺言書に書いてなくない?」というパターン。





例えば、相続人の一人がふと気づくのです。「このネット証券口座、誰にも話してなかったけど…これ、どうするの?」とか。
あるいは不動産の権利書の奥に、ひっそり眠っていた古い通帳から数十万円が出てきたりとか。





こういう「遺言書に書かれていない財産」、通称“漏れた財産”って、どう分ければ良いのでしょうか?
揉めたら嫌だし、とはいえ無視もできない。
今日はそんな「遺言書に書かれていない財産」の扱いについて、現場目線でお話してみようと思います。





そもそも、遺言書って何のためにあるのでしょうか?





答えはシンプルで、「自分が亡くなったあと、財産を誰にどう渡すかを決めるため」です。
でも、ここでひとつ罠があるのです。
人間って、思ったより“全部”を把握してないのですよね。特に財産って、多岐にわたります。





銀行預金、不動産、株式、投資信託、生命保険、仮想通貨、タンス貯金、果てはポイントまで。
最近はデジタル資産も増えてきて、「そもそも相続人が存在を知らない」ってこともあるあるです。





そして、遺言書って、原則として書かれている財産にしか効力を発揮しません。
つまり、書かれてない財産は「相続人みんなで相談して分けてくださいね~」っていう、ざっくりモードになるのです。





でも、それができれば苦労しませんよね。





実際にあった話(もちろん個人情報はしっかり伏せてますよ)。
あるご家庭、遺言書がちゃんと用意されていました。「長男に家と預金を、次男には現金500万円を…」みたいに、しっかりしている。
「これはスムーズだな~」と思っていたら、次男さんからポツリ。





「ところで…父の部屋から金の延べ棒が出てきたのですけど、これって…?」





出てきたのですよ。金。延べ棒。リアルに。まるで時代劇のラストシーンみたいに。
でも、それ、遺言書には一切書かれてなかった。





ここで揉めるかと思いきや、このご家族は冷静でした。
「じゃあ、これは法定相続分で分けましょうか」と、すぐに意見がまとまった。
こういうケース、珍しいのですけどね。本当はもっと、「お父さんは俺に残すつもりだったのだ!」みたいな感情のぶつかり合いになることも多いのです。





じゃあ、どう分けるのが“正解”なのか。
これ、法律的にはどうなるのかというと…





遺言書に記載のない財産=遺言に含まれていない財産、つまり「遺産分割協議の対象」となります。





簡単に言うと、「みんなで話し合って分けてくださいね」という状態です。
このときの基本ルールは、民法で定められた法定相続分になります。





たとえば、配偶者と子ども2人が相続人なら、配偶者が1/2、子どもたちが1/4ずつというアレです。
ただし、これも“原則”にすぎません。話し合いの結果、別の割合でもOKなのです。つまり、全員が納得すれば、配偶者が全部もらってもいいし、子どもたちだけで分けても構わない。





ここで登場するのが「遺産分割協議書」。
みんなで話し合って、「この財産はこう分けました」と書面にすることで、手続きが進められます。
銀行に提出したり、不動産登記を変更したり、相続税の申告に使ったりと、けっこう重要な書類です。





ただし、全員の実印と印鑑証明が必要になるので、「話し合いがまとまらないと、前に進まない」というリスクも。
これが相続の一番のハードルでもあります。





遺言書は大事。でも、それで「すべて」が解決するとは限らない。
記載されていない財産、つまり“漏れた財産”については、結局のところ「相続人全員で話し合って決める」ことになります。





その際、法定相続分が目安になるものの、感情や状況によって揉めることもあります。
できれば、遺言書を作るときには「漏れ財産があった場合は、法定相続分に従って分けるものとする」なんて一言を添えておくと、あとあとラクだったりします。





私たち税理士事務所としても、相続税の申告だけでなく、こうした分割の話し合いや、協議書の作成までサポートすることがあります。
実は税金以上に、人間関係の調整が大変だったりするのですよね…。





結局、相続って「モノの問題」じゃなくて「人の問題」なんだなぁと、つくづく感じます。





遺言書を書くときは、「今持っている財産すべて」をできるだけリストアップすること。
そして、「書き漏らした財産が出てきたときのこと」まで想定しておくと、残された家族がぐっと楽になります。





何をどう分けるかを決めることも大切ですが、
「分け方のルールを決めておくこと」も、同じくらい大切なのです。





あ、ちなみに――
ネット証券の口座や暗号資産、忘れていませんか?
意外とそこ、盲点ですよ。





※この記事は税理士事務所スタッフが日頃の業務で感じたことや素朴な疑問をコラムとして掲載しております。念のため専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は責任を負いかねますので、個別具体的な案件に関する疑問やご相談がある場合には、弊所税理士「うめちゃん先生」まで直接問い合わせを頂くか、「お問合せフォーム」からお問合せ下さい。随時実施している無料相談会(完全予約制)もごお気軽に活用ください。





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