申告期限を過ぎても納税猶予の特例は使えるの?【新潟相続専門税理士ブログ】
Question
私の父は農業を営んでおりましたが、昨年に他界いたしました。農地の納税猶予の特例があるとこを知り、その特例を使って相続税の納税額を抑えたいと考えていました。ところが家族間での遺産分割協議に時間がかかってしまったため、申告期限を過ぎてしまいました。
この場合、期限後の申告でも納税猶予の特例は適用されますか?
Answer
納税猶予の特例は期限内申告に係る相続税額に限り適用されるため、残念ながら期限後申告では納税猶予の特例を受けることはできません。
相続税の納税猶予の特例を受けるためには、相続税の申告書を期限内に提出し、その申告書に所定事項の記載及び必要書類の添付が必要となります。
また,特例農地等の全部の担保提供又は納税猶予に係る相続税の本税額と農業相続人の平均余命年数に相当する納税猶予期間(※)中の利子税額との合計額に相当する担保提供も必要です。
※特例農地等のすべてが市街化区域内農地等(都市営農農地等を除く。)である農業相続人等については20年を限度となります。
相続税の納税猶予の特例適用要件は次のとおりです。
〈被相続人〉
1. 死亡の日まで農業を営んでいた者
2. 生前一括贈与した者
3. 死亡の日まで特定貸付けまたは認定とし農地貸付などを行っていた者
〈相続人〉
1. 相続税の申告期限までに取得した農地等において農業経営を開始し、その後も継続して農業経営を行うと認められる者
2. 生前一括贈与を受けた者
3. 相続税の申告期限までに特定貸付または認定の内貸付等を行っていた者
期限後に申告をする場合、上記要件の条件にあてはまらないため納税猶予の特例適用を受けることはできません。
今回の場合、家族間での遺産分割協議に時間がかかってしまったことが申告期限を経過してしまった原因であるようですが、そのような争いが事前に予想される場合には、お父様が生前のうちに農業経営を承継する推定相続人に対し農地等の一括贈与を行っていただき、贈与税の納税猶予の特例を適用することも可能です。
相続が開始されたら考えること…と思わず、相続によるいざこざで家族間の関係が悪くならないためにも、大切な『相続』について事前に考えてみてはいかがでしょうか。
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