相続又は遺贈により取得したとみなされる保険金の課税関係はどうなる?【新潟相続専門税理士ブログ】
Question
長男Cは、被相続人である父Aの死亡により、保険金1,000万円を取得しました。この保険契約に係る保険料は、父Aが300万円、母Bが100万円、長男Cが100万円を負担していました。
この場合、長男Cが取得した保険金に係る相続税及びその他の課税関係はどのようになりますか。
Answer
死亡保険金を受け取る際に課税される税金は、契約者(保険料負担者)、被保険者および保険金受取人が誰であるかにより決まり、相続税、贈与税、所得税のいずれかの課税の対象になります。
長男Cが取得した保険金は、その保険料の負担者の負担割合に応じて、次のとおり相続税、贈与税および所得税の課税の対象となります。
【長男Cが父Aから相続により取得したとみなされる保険金】
上記表①のように、保険料の負担者と被保険者が同一人の場合は相続税の課税対象となります。
父Aの保険料負担額は300万円で、保険料負担割合は全体の5分の3にあたりますので、受け取った死亡保険金1,000万円のうち、5分の3にあたる600万円が贈与税の課税対象となります。
【長男Cが母Bから贈与により取得したものとみなされる保険金】
上記表②のように、保険料の負担者、被保険者および保険金受取人がすべて異なる場合は贈与税の課税対象となります。
母Bの保険料負担額は100万円で、保険料負担割合は全体の5分の1にあたりますので、受け取った死亡保険金1,000万円のうち、5分の1にあたる200万円が贈与税の課税対象となります。
なお、1月1日から12月31日までの1年間で贈与額の合計が110万円以下であれば贈与税はかかりません。
110万円以上の場合には贈与税がかかり、贈与額が大きくなればなるほど贈与税率も高くなります。
【長男Cの一時所得(所得税)の収入金額】
上記表③のように、保険料負担者と保険金受取人が同一人の場合で、死亡保険金を一時金で受領した場合には、一時所得になります。
長男Cの保険料負担額は100万円で、保険料負担割合は全体の5分の1にあたりますので、受け取った死亡保険金1,000万円のうち、5分の1にあたる200万円が一時所得となります。
一時所得の金額は、受け取った保険金の総額から既に払い込んだ保険料を差し引き、さらに一時所得の特別控除額50万円を差し引いた金額に2分の1にした金額が一時所得の課税の対象となります。
これを算式で表すと次のようになります。
(一時所得の金額 - 経費 - 特別控除額(50万円))× 1/2 = 一時所得の課税所得金額
今回の例ですと、
(保険金200万円 - 既払込保険料100万円 - 特別控除額50万円) × 1/2 = 25万円
となり、25万円が一時所得の課税対象となります。
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