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特定の美術品についての相続税の納税猶予制度とは 【新潟相続専門税理士ブログ】

Question
先日父が亡くなりました。父は美術品のコレクターで、以前からいくつもの美術品を美術館へ貸し出ししています。今回、息子である私がその美術品をすべて相続することになりましたが、この美術品に関しても相続税が課税されるのでしょうか。

Answer
重要文化財及び世界文化の見地から、特に優れた登録有形文化財について、保存活用計画の認定を受けて美術館に寄託している間にその所有者が死亡した場合、その寄託を継続する場合には、その美術品に係る課税価格の80%の相続税の納税が猶予されます。また、もし寄託相続人(=あなた)が亡くなった場合、その相続税の納付が免除されます。ただ、この猶予を受ける場合には担保を提供しなければなりませんのでご注意ください。

平成30年度の税制改正で、美術品・文化財の次世代への確実な継承と美術館等のコンテンツの充実を目的として、その相続人が特定美術品の寄託を継続すること等を条件に、特定美術品に係る相続税の納税を猶予する仕組みが創設されました。

<対象となる美術品>
本特例の対象となる美術品は以下の通りです。
① 一定の重要文化財
文化財保護法第27条第1項(指定)の規定により重要文化財として指定された絵画、彫刻、工芸品その他の有形の文化的所産である動産
② 一定の登録有形文化財
文化財保護法第58条第1項(告示,通知及び登録証の交付)に規定する登録有形文化財(建造物であるものを除く。)のうち世界文化の見地から歴史上、芸術上又は学術上特に優れた価値を有するもの

<対象となる美術館>
本特例の対象となる特定美術品の寄託を受ける美術館にも制限があります。
博物館法で規定されている博物館又は同法により博物館に相当する施設として指定された施設のうち、特定美術品の公開及び保管を行う施設です。
したがって,博物館と類似の事業を行う施設(いわゆる博物館類似施設)は含まれないのでご注意ください。
また、美術館の設置者と所有者の間で寄託契約を締結していることが条件となります。

お父様が所有している美術品が一定の重要文化財もしくは登録有形文化財であり、博物館法に規定されている博物館もしくは博物館に相当する施設と一定の条件で寄託契約を結んでいる場合にはこの制度が適応となります。

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