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税理士事務所見習いスタッフコラム【遺産分割編】相続税の申告後に新たな財産が発見された場合、どのように対応すべきか


相続税の申告が無事終わって、「やれやれ、これで一段落」と思っていたのに――ある日、押し入れの奥から謎の通帳が出てきた。え、なにこれ、亡くなったお父さん名義?しかもまあまあ残高あるし…。





……こういうこと、実はよくあるのです。





申告が終わって気が緩んだタイミングで、ふとした拍子に新しい財産が見つかること、相続の現場ではそんなに珍しくありません。とはいえ、「もう申告しちゃったし、いまさらどうすれば?」と頭を抱える方も多いはず。





今回は、そんな“申告後に発見された財産”について、「実際どう対応するべきか?」を税理士事務所スタッフの視点から、わかりやすくお話ししていきます。





相続って、一度で終わるとは限らない





まず大前提として知っておいてほしいのは、相続税の申告は“期限付きの提出物”である一方、“完全無欠のファイナルアンサー”ではないということ。期限は、亡くなった日から10ヶ月以内。でも、すべての財産をその期間内にパーフェクトに見つけ出せるかというと、実はそれが結構難しいものなのです。





相続人の中には、「財産の全体像がわからないまま手続きを始めた」という人も少なくありません。特に、家族間の会話が少なかった場合や、親御さんが“現金主義”かつ“メモしないタイプ”だった場合は要注意。貯金箱に現金がギュウギュウ詰めになっていたり、誰にも言わずにネット証券口座を開いていたりと、発見されにくい財産がぽろぽろ出てくることもあります。





押し入れの奥に眠っていた、もう一つの預金通帳





過去のご相談の中にはこのようなこともあったそうです。





「父が亡くなって申告も済ませたのですが、半年くらい経ってから、古い箪笥の裏に隠れていた通帳が出てきたんです」と、おっしゃる娘さん。よくよく調べてみると、その通帳はネットバンキングとは無縁の地方銀行のもので、しかも30万円以上の残高が残っていました。





少額とはいえ、これもれっきとした「相続財産」。税務署に何も言わずに放っておいたら……?





税務署に後から指摘されると調査後の「修正申告」に応じる必要が出てくることがあるのです。だからこそ、こういう場合は自発的に動くことが、結果的に一番安心だったりします。





じゃあ、どうすればいいの?





じゃあ実際、新たな財産が見つかったとき、何をすればいいのか?





答えはシンプル、自主的な「修正申告」です。





税務署に「すみません、追加で財産が出てきました」と申し出て、すでに提出した申告書を修正して再提出する。これが正しい対応です。





ただし、ここで大事なのが「タイミング」です。





申告後5年以内であれば、自主的に修正申告ができます。この間に自分から申し出れば、延滞税がかかることはあっても、加算税(いわゆる罰金的なもの)は軽減されるか、かからないこともあります。





でも、「知らんふりをしていたら税務署に見つかっちゃった」パターンだと、一気に雲行きが怪しくなります。ペナルティの可能性がグッと高まるのですね。





つまり、「あ、やば」と思ったら、なるべく早く税理士に相談するのが得策。放置しておくと、ちょっとした金額でも後から“痛い思い”をすることになりかねません。





相続は“終わり”じゃなくて、“育てるもの”?





相続って、一度終われば安心…と思いがちですが、実は「申告がゴールではない」という側面もあるのですよね。むしろ、申告後にも変化が起きうることを前提に、柔軟に対応できるよう備えておくことの方が大切。





今回のテーマのように、「後から財産が見つかる」ことは恥ずかしいことでも、特別なことでもありません。どんなに丁寧に調べても、出てくるときは出てくるのです。問題は、出てきた後にどう行動するか。





そして、できれば「出てこないようにする」ためにも、生前から財産を整理しておくことが、相続する人にも、される人にも大きな安心につながります。つまり、終わったと思っていた相続が、意外なところで“もうひと仕事”を呼び込むこともある――そう考えておくと、トラブルはグッと減らせます。





最後にひとつ。





「えー、また書類か…」と思った方へ。





たしかに、修正申告はちょっと面倒です。でも、“放置リスク”に比べたら全然マシ。そして、私たち税理士事務所スタッフは、そんなときこそ頼れる存在でありたいと思っています。





だから、もし心当たりがあるなら、遠慮なくご相談ください。あなたの「ちょっと気になる」が、後で大きな安心になるかもしれませんから。





※この記事は税理士事務所スタッフが日頃の業務で感じたことや素朴な疑問をコラムとして掲載しております。念のため専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は責任を負いかねますので、個別具体的な案件に関する疑問やご相談がある場合には、弊所税理士「うめちゃん先生」まで直接問い合わせを頂くか、「お問合せフォーム」からお問合せ下さい。随時実施している無料相談会(完全予約制)もごお気軽に活用ください。





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